Vaccination

予防接種

予防医療の重要性

犬や猫たちの感染症には感染してしまうと重篤な状態に陥ったり、死の危険にさらされたり、治療が困難なものがあります。これら感染症の中にはワクチンや予防薬等で感染を回避したり症状の軽減を期待できるものがあります。予防が可能な疾患であれば適切な予防で愛犬・愛猫を感染症から守ってあげましょう。また感染症の中には人間にも感染し命の危険を招くものもあります。大切な家族を守るためにも予防は大切です。
ペットとの長く幸せな生活を送るために、積極的な予防に取り組みましょう。

ワクチンの種類

伝染病予防注射(混合ワクチン)

犬や猫の感染症の予防注射です。犬の代表的なウイルス感染症には犬パルボウイルス感染症、ジステンパーウイルス感染症、アデノウイルス感染症、コロナウイルス感染症などがあります。細菌による感染症には犬レプトスピラ感染症があります。
猫の代表的なウイルス感染症にはネコカリシウイルス感染症、猫パルボウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎などがあります。

頻繁に散歩に出かけたり、旅行のお供に連れて行ったり、訓練やドックラン、ネコカフェに出かけるときには予防注射で愛犬・愛猫を伝染病の脅威から守ってあげましょう。
ペットホテルなどでのお預かりは、このワクチン接種が必須なことがありますので、その際はお調べ下さい。

犬のワクチン

予防できる病気
  • 犬パルボウイルス感染症
  • ジステンパーウイルス感染症
  • アデノウイルス感染症
  • コロナウイルス感染症
  • 犬レプトスピラ感染症

猫のワクチン

予防できる病気
  • ネコカリシウイルス感染症
  • 猫パルボウイルス感染症
  • 猫ウイルス性鼻気管炎

経鼻ワクチン

犬が集団で生活するような場面で最も発生しやすい感染症がケンネルコフという咳を主な症状とする呼吸器疾患です。ドッグラン・しつけ教室・ペットホテル・トリミングなど集団生活や集団行動を行う機会に感染するものです。
咳を中心に慢性経過をたどる疾患で、重症化すると肺炎を起こしたりして衰弱してしまう病気で、最悪死に至る事もあります。

現在、日本では点鼻による経鼻ワクチンとなります。

予防できる病気
  • 犬バルボテラ感染症
  • 犬アデノウイルス感染症
  • 犬パラインフルエンザ感染症

狂犬病予防ワクチン

皆さんご承知の人獣共通の感染症で、犬から人への感染の確率が高いウイルス性感染症です。
人に感染し適切な処置を怠ると確実に死に至る怖い病気です。
犬ばかりでなく猫や牛、馬、キツネ、コウモリなど家畜や野生動物の多くに感染が成立するいやらしいウイルスです。
しかし、わが国では野良犬を捕獲し係留を義務付けし、毎年の狂犬病予防接種と畜犬登録を長年にわたり慣行したおかげで、国内での狂犬病の発生や蔓延は起きていません。日本国内にウイルスは存在しないと考えて良いと思いますが、では、予防接種はしなくても良いのでしょうか。
地球規模で考えると狂犬病で命を落としている人たちが世界中にはまだ多くいるのも現状です。
海外との行き来も頻繁な今日、いつわが国にもウイルスが襲来してくるのか、危険性は存在します。

大きな蔓延を起こしてしまうと口蹄疫や鳥インフルエンザのように多くの家畜たちの犠牲が起きたように、犬たちにも多くの犠牲が懸念されます。そのような事を起こさせないためにもしっかりとワクチン接種はしておきたいものです。集団発生、パンデミックな流行を起こさせないためには接種率70%以上が必要と言われています。
狂犬病の脅威から日本国民を守るためにも接種率向上に努め、発生を阻止したいものです。

犬フィラリア予防

犬が蚊の吸血により感染してしまう病気が犬フィラリア症です。
吸血により感染したフィラリアの幼虫は犬の体内を動き回り脱皮を繰り返し最終的には心臓へとたどり着き親虫となって子虫を生み続け、子虫を血液中に放出し、これが再び蚊の体内に入り他の犬へと感染が拡大して行きます。
フィラリア成虫は15cm~20cmぐらいのヒモ状の線虫で心臓に至る血管内や心臓内で悪さをします。心臓が小さな動物ほどフィラリアの影響は深刻そうですが、どのサイズであろうとも感染は起こさせたくないものです。予防には内服タイプに錠剤・チュアブル、滴下式のスポットオン、年に1度の注射タイプと各種ございます。ご家庭の状況や手間を考えて選択しましょう。
予防期間は注射の場合を除きおおよそ5月から12月までの8ヶ月間を想定しています。

フィラリア症による主な症状
  • 元気消失
  • 食欲低下
  • 息苦しい
  • 腹囲膨大(腹水)
  • 発咳
  • 吐血
  • 重症で血尿、褐色尿
予防時期

5月〜12月

抗体価検査

抗体価検査とは

ワクチンを接種する事により体内で免疫抗体が産生されます。しかし接種してから経過とともに効果が減少してきます。抗体化検査とはワクチンの効力を調べる検査で、ワクチンの効(抗体価)がどれくらい身体に残っているかを調べる検査です。感染防御ができる範囲にあるかがわかり、これにより現在追加ワクチンが必要かどうかの判定も可能です。

抗体価検査可能ワクチン
  • 狂犬病
  • ジステンパー
  • 犬アデノウイルス
  • 犬パルボウイルス感染症
抗体価検査の注意点

しかし、混合ワクチンに含まれるすべての伝染病に対する抗体検査ができるわけではありません。愛犬・愛猫の健康を守るためには、抗体価検査の結果を参考にしながらも、獣医師と相談の上、必要なワクチン接種を適切に受けることが重要です。
現在日本では、年1回のワクチン接種が推奨されています。